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【これって神経のせい?】そのしびれ、あきらめないで!最新研究でわかる「神経性腰痛」の正体と対策

【これって神経のせい?】そのしびれ、あきらめないで!最新研究でわかる「神経性腰痛」の正体と対策

「デスクワークで腰が重い…」 「立ち上がる時にズキッ!と痛む…」

日本人の国民病ともいわれる「腰痛」。あなたも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?

でも、ちょっと待ってください。その腰痛、**「いつものこと」**だと諦めていませんか?

もし、あなたの腰痛が**「足のしびれ」や「歩きにくさ」を伴うなら、それは単なる筋肉の疲れではなく、神経が原因の「神経性腰痛」**かもしれません。(神経性腰痛は『神経根性腰痛』や『神経障害性腰痛』として定義されています)

今回は、最近の研究でどんどん新しいことがわかってきている「神経性腰痛」について、専門的な内容もかみ砕いて、徹底解説していきます!2020年以降の新しい論文を参考に、あなたの長年の悩みを解決するヒントをお届けしますので、ぜひ最後までお付き合いください。

一目瞭然!普通の腰痛と「神経性腰痛」、何が違うの?

まず、一番大事なポイントから。

腰痛には大きく分けて2つのタイプがあります。 一番の違いは、**症状の出方**です。下の表であなたの症状と見比べてみてください。

症状の種類① 侵害受容性疼痛(普通の腰痛)② 神経障害性疼痛(神経性腰痛)
主な原因筋肉や関節の炎症(ぎっくり腰など)神経の圧迫や損傷
痛みの場所腰を中心に、痛い場所が比較的はっきりしている腰だけでなく、お尻や足にまで広がる
痛みの感覚「ズキズキ」「ジンジン」といった鋭い痛みや重だるさ「ビリビリ」「ジンジン」としびれるような痛み、灼けるような痛み、感覚が鈍くなる
特徴的な症状特定の動きで痛みが強くなる安静にしていても痛むことがある、少し歩くと足がしびれて歩けなくなる(間歇性跛行)

もし、あなたの症状が右側の**「② 神経性腰痛」**に多く当てはまるなら、その原因は腰の骨(腰椎)の中にある神経にあるかもしれません。

神経性腰痛の2大原因:「ヘルニア」と「狭窄症」

神経性腰痛を引き起こす代表的な病気が2つあります。この2つは似ているようで、実は違いがあります。

1. 腰椎椎間板ヘルニア 

背骨の骨と骨の間でクッションの役割をしている「椎間板」が飛び出し、神経を圧迫してしまう病気です。

2. 腰部脊柱管狭窄症

加齢などが原因で、神経の通り道「脊柱管」自体が狭くなってしまい、神経が圧迫される病気です。

【ヘルニアと狭窄症の比較表】

腰椎椎間板ヘルニア腰部脊柱管狭窄症
好発年齢20~40代(比較的若い世代)50代以降
痛みが悪化する姿勢前かがみ(靴下を履く動作など)後ろに反らす(まっすぐ立って歩くなど)
痛みが楽になる姿勢後ろに反らす前かがみ(自転車に乗る、カートを押すなど)
特徴的な症状片足に強い痛みやしびれが出ることが多いしばらく歩くと足がしびれ、休むと回復する**間歇性跛行**が典型的

自分でできる?神経性腰痛の簡単セルフチェック

「もしかして私も…?」と不安になった方のために、整形外科で実際に行われるテストを、ご自宅で安全にできる範囲でご紹介します。

【注意!】あくまで簡易的なチェックです。痛みやしびれが強い場合は絶対に無理をせず、必ず専門医の診断を受けてください。

下肢伸展挙上試験(かししんてんきょじょうしけん) / SLRテスト

主に椎間板ヘルニアを調べるテストです。

  1. 仰向けに寝て、全身の力を抜きます。
  2. 膝を伸ばしたまま、ゆっくりと片足を上げていきます。(ご家族に手伝ってもらうのがおすすめです)
  3. お尻から太ももの裏、ふくらはぎにかけて、電気が走るような鋭い痛みが走る場合、陽性の可能性があります。

【2020年以降の豆知識】 最近の研究では、このSLRテストの際に足首を反らせる(つま先を自分の方に向ける)と、より正確に神経の圧迫を調べられることがわかってきています (参考文献: Journal of Clinical Medicine, 2021)。もし余裕があれば試してみてください。

ケンプテスト/Kemp test

主に脊柱管狭窄症を調べるテストです。

  1. 立位で腰を後ろにそらします。
  2. そこからさらに体を左右へ捻ります(後ろを振り向く時のような感じ)
  3. 痛みや痺れがお尻や足に放散する場合、陽性の可能性があります。

このテストは選択的神経根ブロック(SNRB)の結果を基準とした場合、症候性の椎間孔狭窄を「rule-in(病気の可能性を高める)」するにおいて中等度から強い能力を示したとの報告もあります。(Singh, R., & Hartl, R. (2024). Validation of a Novel Provocative Examination Maneuver for the Diagnosis of Lumbar Foraminal Stenosis Through Selective Nerve Root Block Outcomes. Journal of Minimally Invasive Spine Surgery and Technique.) 

*その他、長時間歩くと痛みや痺れが生じ、休むと軽減する『間欠性破行』も脊柱管狭窄症に特徴的な症状です。

単独のテストで可能性を示唆することは可能ですが、最終的な診断にはレントゲン画像など専門的な検査が必要です。

最新研究から見る、神経性腰痛の新しいアプローチ

「神経が原因だと、もう手術しかないの…?」そんなことはありません!

 2020年以降、神経性腰痛に対する治療やリハビリの研究は大きく進んでいます。

1. 薬物療法の進化

以前は一般的な痛み止めが中心でしたが、最近では神経の過剰な興奮を直接抑える専門的な薬(プレガバリンなど)が第一選択薬として推奨されることが増えてきました(参考文献: 日本整形外科学会・日本腰痛学会「腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021」)。これにより、しびれや特有の痛みに対して、より効果的なアプローチが可能になっています。

2. 「運動」の重要性が見直されている

かつては「腰が痛いときは安静に」が常識でしたが、最近の研究では、**痛みのない範囲で積極的に体を動かすこと**が、症状の改善や長期的な予防につながることが明らかになっています。

特に、体幹のインナーマッスルを鍛える運動や、神経の滑りを良くするストレッチが注目されています。

おすすめ簡単セルフケア:ドローイン

  1. 仰向けに寝て、膝を立てます。
  2. ゆっくりと息を吐きながら、おへそを背骨に近づけるように、お腹をへこませます。
  3. その状態を10〜30秒キープ。これを数回繰り返します。

この運動は、腹部の深層筋を鍛え、**「天然のコルセット」**のようにお腹周りを安定させて、腰への負担を減らす効果が期待できます。

まとめ:その痛み、あきらめないで!

いかがでしたか?最後に、今回の最重要ポイントをまとめます。

  • 足のしびれや、歩くと悪化する痛みは「神経性腰痛」のサインかも。
  • 原因は主に「ヘルニア」や「狭窄症」による神経の圧迫。
  • 簡単なセルフチェックで可能性を探れるが、診断は必ず専門医に
  • 最新の治療では、専門的な薬や**「積極的な運動」**が重要視されている。

長年付き合ってきた腰痛だからと、あきらめる必要は全くありません。医療は日々進歩しています。

「おかしいな」と思ったら、まずは勇気を出して整形外科を受診してみてください。 あなたのその一歩が、快適な毎日を取り戻すための最も重要な一歩になります。

この記事が、あなたの悩みを解決するきっかけになれば嬉しいです。

体の悩みがあればこちらに相談してください! 
reha.de.111@gmail.com

岡永

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