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【腰痛セルフチェック】あなたの腰痛はどのタイプ?専門家が教える原因と見分け方

【腰痛セルフチェック】あなたの腰痛はどのタイプ?専門家が教える原因と見分け方

「腰が痛い…」と一言で言っても、その原因は様々です。もしかしたら、あなたのその痛みは、特定のタイプに分類できるかもしれません。

腰痛には、椎間関節性腰痛椎間板性腰痛筋筋膜性腰痛、そして神経性腰痛など、数多くの種類が存在します。ご自身の腰痛がどのタイプに当てはまるかを知ることは、適切な対処への第一歩であり、とても大切なことです。

今回は、あなたの腰痛がどのタイプに分類されるのか、それぞれの特徴を最新の研究知見やご自宅でできる簡単なセルフチェック法を交えて詳しく解説していきます。

※注意 ご紹介する内容はあくまで一般的な特徴です。セルフチェックで痛みが増強する場合や、症状が強い場合は、決して我慢せず、お近くの整形外科を受診してください。


椎間関節性腰痛の特徴:腰を反らすと痛む「関節」の痛み

背骨の後ろ側には、椎間関節という小さな関節が左右一対で連なっています。この関節に負担がかかり、炎症や変性が起こることで生じるのが椎間関節性腰痛です。

どんな痛み?

  • 比較的ピンポイントで「ここが痛い」と指をさせるような、背骨の近くの痛み。
  • 腰を後ろに反らしたり、体を捻ったりする動きで痛みが強くなる。
  • 朝起きた時に腰がこわばって動きにくいが、少し動いていると楽になることがある。
  • 長時間立っていたり、同じ姿勢でいたりすると、じわじわと痛みがぶり返す。

2020年以降の新しい知見

かつてはレントゲンでの診断が主でしたが、必ずしも画像の変形と痛みが一致しないことが課題でした。近年の研究では、超音波(エコー)を用いて椎間関節周囲の血流増加を評価し、炎症の有無をより正確に捉えようとする試みが進んでいます(Journal of Pain Research, 2022)。痛みのある部位の微細な炎症を可視化することで、診断の精度向上が期待されています。

整形外科的テスト【ケンプテスト】

これは、椎間関節に意図的に圧をかけて痛みを再現させるテストです。

  1. 椅子に座るか、立った状態で行います。
  2. 痛いと思われる側の腰に手を当てます。
  3. ゆっくりと体を後ろに反らしながら、痛い側へ体を捻っていきます。
  4. この動作で、いつも感じている腰の痛みが再現されれば、椎間関節性腰痛の可能性が考えられます。

注意! 強い痛みや足にしびれを感じた場合は、すぐに中止してください。


椎間板性腰痛の特徴:前かがみや座りっぱなしで辛い「クッション」の痛み

背骨と背骨の間でクッションの役割を果たしている「椎間板」。この椎間板が傷ついたり、変性したりして起こるのが椎間板性腰痛です。デスクワーカーなど、長時間座っている方に多く見られます。

どんな痛み?

  • 腰の中心部が重だるい、鈍い痛み。
  • 前かがみになったり、椅子から立ち上がろうとしたりする時に痛みが強くなる。
  • 長時間座っていると痛みが増してくる。逆に、立ったり歩いたりすると楽になることがある。
  • 咳やくしゃみをすると腰に響くことがある。

2020年以降の新しい知見

椎間板の変性には、内部の水分量が減少するだけでなく、微細な神経線維が椎間板の内部にまで侵入して痛みを引き起こすことが分かってきました。最近の研究では、この神経の侵入や炎症に関わる**特定の酵素(マトリックスメタロプロテアーゼ-2など)**の役割が注目されており、将来的にこれらの酵素の働きを抑えることで、痛みを根本から治療する新しいアプローチに繋がる可能性があります(The Spine Journal, 2021)。

整形外科的テスト【前屈テスト】

非常にシンプルなテストですが、椎間板への圧力を高めて症状を確認します。

  1. 立った状態で、膝を伸ばしたまま、ゆっくりと体を前に倒していきます。
  2. 「これ以上曲げると痛い」と感じる少し手前で止め、その姿勢を数秒キープします。
  3. この前かがみの姿勢で、腰の中心部に重たい痛みが増すようであれば、椎間板性腰痛が疑われます。

筋筋膜性腰痛の特徴:押すと激痛が走る「筋肉」のコリ

筋肉や、筋肉を包む「筋膜」が硬くなったり、微細な損傷を起こしたりすることで生じる腰痛です。いわゆる「ぎっくり腰」の多くもこれに含まれます。特定の動作だけでなく、ストレスや血行不良が原因となることもあります。

どんな痛み?

  • 比較的広い範囲が重だるく、張っている感じがする。
  • 特定の箇所を押すと「そこそこ!」と感じるような、ひときわ痛いポイント(トリガーポイント)がある。
  • 同じ姿勢を続けた後や、運動の翌日などに痛みが出やすい。
  • 温めると少し楽になることがある。

2020年以降の新しい知見

筋筋膜性腰痛の診断において、トリガーポイントの客観的な評価が重要視されています。最新の研究では、超音波エラストグラフィという技術を使い、筋膜の硬さや滑りの悪さを画像で評価する研究が進められています(Scientific Reports, 2020)。これにより、施術者の感覚だけに頼らず、より客観的に筋肉や筋膜の状態を把握し、治療効果を判定できるようになることが期待されています。

整形外科的テスト【トリガーポイント圧迫テスト】

ご自身で痛みの原因となっている筋肉を探すテストです。

  1. リラックスした状態で、痛いと感じる腰の周りを指でゆっくりと押していきます。
  2. その中で、ひときわ硬く感じたり、押すとズーンと響くような強い痛みを感じたりする点(トリガーポイント)を探します。
  3. その点を5〜10秒ほど持続的に圧迫した際に、いつも感じている腰痛が再現されれば、筋筋膜性腰痛の可能性が高いです。

神経性腰痛(神経根性腰痛)の特徴:足に広がる「しびれ」や「放散痛」

腰の骨の中を通る神経が、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などによって圧迫されることで生じる腰痛です。腰そのものの痛みだけでなく、お尻や足にまで症状が及ぶのが最大の特徴です。

どんな痛み?

  • 腰からお尻、太ももの裏、ふくらはぎ、足先にかけて広がるような鋭い痛みやしびれ(坐骨神経痛)。
  • 電気が走るような、ピリピリ、ジンジンとした痛み。
  • 特定の足の指に力が入らない、感覚が鈍いといった症状を伴うことがある。
  • 体を前に曲げると楽になる(脊柱管狭窄症)、または痛みが強くなる(椎間板ヘルニア)など、原因によって痛みの出る体勢が異なります。

2020年以降の新しい知見

神経が物理的に圧迫されるだけでなく、圧迫された神経の周りで炎症を引き起こす化学物質(炎症性サイトカイン)が放出され、これが痛みを増悪させる主要な原因であることが強調されています(Frontiers in Pharmacology, 2023)。このため、治療法も単に圧迫を取り除くだけでなく、この炎症をいかにコントロールするかが重要視されるようになっています。

整形外科的テスト【SLRテスト(下肢伸展挙上試験)】

坐骨神経の圧迫を確認する代表的なテストです。

  1. 仰向けに寝て、全身の力を抜きます。
  2. 痛い方の足の膝を伸ばしたまま、ゆっくりと持ち上げていきます。(ご家族に手伝ってもらうのが理想です)
  3. お尻や太ももの裏に強い痛みやしびれが走り、普段の症状が再現される場合、神経性の腰痛が強く疑われます。特に、持ち上げた角度が70度以下で症状が出る場合は陽性の可能性が高いです。

注意! このテストは痛みを誘発しやすいので、無理のない範囲で、ゆっくりと行ってください。


まとめ

以上が、それぞれの腰痛の代表的な特徴です。 もちろん、これらの症状は人によって様々で、複数のタイプが合併していることも少なくありません。ここに当てはまらないからといって、心配ないわけではありません。

症状が強い場合、足のしびれや麻痺がある場合、そして何よりご自身で不安な場合は、自己判断せずに必ず整形外科を受診してください。

専門家による正しい診断が、的確な治療への一番の近道です。痛みを我慢せず、不安であれば医療機関に相談してみてください。

また、それぞれの腰痛についてさらに詳しく知りたい方は、このサイトでどんどん情報を発信していくのでぜひ見てください。あなたの腰痛が少しでも和らぐことを願っています。

体の悩みがあればこちらに相談してください! 
reha.de.111@gmail.com

岡永

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